あいさつと合わせて感謝の言葉を!
『あいさつ』を癖にできると将来が明るい! で書いた様に、毎日の小さな行動の積み重ねで、周囲の人に大きな影響を与える事が分かっています。
そして『あいさつ』と一緒に使いたいのが、『感謝の言葉』です。
これも子供さんに必ずと言っていいほど、教える言葉ですよね。
何かしてもらったら「ありがとうと言いなさい」と伝えますよね。
我が家でもそうです。
ですが、「ありがとう」と言葉を使うことだけを教えていて、
「何故、感謝する必要があるのか?」をきちんと言葉にしていない事に気づきました。
前回の記事に書いたテイストでまとめるとすれば、
● 『あいさつ』が人に話しかけて貰うきっかけの言葉なのであれば、
● 『感謝の言葉』は、相手のモチベーションを高め、次を引き出す言葉といえます。
感謝されて嫌な気持ちになる事は、ほとんどありませんから、感謝されれば嬉しい気持ちになりますし、その相手には好印象を感じることにつながります。
人は、自分を幸せにしてくれるものを求める傾向がある為、自分を幸福な気持ちにしてくれる人へと声をかけたくなるものです。
だからこそ、子供には『あいさつ』と合わせて『感謝の言葉』を正しく使う事を覚えてもらいたいなと思っています。
今回は、『感謝の言葉』の効果についてまとめていきます。
目次
感謝を表すと幸福になれる
「ありがとう」と感謝の言葉を相手に伝えることは、自分が思う以上に相手に大きな効果をもたらすと言われています。
自分が言われれば、「恥ずかしいな」と思う事はあれど、嫌な気持ちになる事は無いですよね。
1、感謝の手紙は想像の数倍嬉しい
シカゴ大学の研究によると、感謝の手紙を受け取った人の喜びの効果は、想像以上である事が分かっています。
1、同僚に対して、自分へどれくらい影響を与えたかの感謝の手紙を送ってもらいます。
2、受け取った同僚が、どの程度喜ぶか予測する。(喜ばない予測も含む)
3、受け取った同僚に実際の喜び度を計測する。
結果は、
● 自分の手紙をポジティブに受け取って貰えると予測したが、実際は、予測を遥かに上回るレベルで嬉しさを感じていた。
● 多くの参加者が、「手紙なんか送ったら変に思われる」と予測したが、実際にそんな反応が生じるの事は無かった。
という様に、感謝の言葉は、思った以上に相手に対して幸福度を高める効果を発揮している事が分かります。
また、この手紙は内容の濃さに大きな影響はありませんでした。
手紙を受け取った人は、「文章の温かみ」と「感謝を伝えた」という部分のみで判断していたそうです。
つまり、長い手紙ではなく、「今日は提案してくれてありがとう」など簡潔な文章でも、相手に幸福感を与え、自身に対して好印象を与える事ができると言えます。
2、感謝は言葉に出さず書くだけでもいい
ポジティブ心理学のジャンルでは『三行日記』というテクニックが紹介されている事が多いです。
感謝の気持ちを伝えるのではなく、日記やメモ、アプリに今日の感謝の出来事を書き込むだけで幸福度が上がり、うつ傾向が減少するというものです。
書き込む内容は、
● 今日飲んだコーヒーが美味しかった。
● スーパーでSALEだった。
● 子供が可愛かった。
● お手伝いしてくれ嬉しかった。
などなど、本当に些細な事で良いそうです。
実際に、
1、感謝したい事を、毎日5件ずつ10習慣書くと、幸福度が25%も上がった。
2、1日3件の感謝日記を、週3回と週1回で比較すると、週1回の効果が大きかった。
3、感謝の手紙を友人に送る、過去にあった良い事を記録する事を6ヶ月続けると、幸福度が上がり、うつ傾向が無くなった。
という様に、書き記すだけでも幸福度が上がり、自身のメンタルが改善する事が分かっています。
日本ならではの感謝の効果
上記の研究は、海外の研究になります。
日本人より感情表現が豊かな文化だからこそ効果があるのかと思ってしまいますよね。
ですが、日本人でも感謝の気持ちから、幸福度が高まる事を調べてくれた研究があります。
これは大阪に住む高齢者にインタビューし、未来に対する不安や行動について調査したものです。
結果として、
● ほとんどの高齢者は、未来に対する不安を表現したが「なんとかなる」と思っている事が多かった。
そうで、「健康への不安」「子供への不安」について話したが、地域の人と上手く付き合いながら、なんとかやり過ごせるだろうと楽観的な言葉を口にしたそうです。
これを、『静かな希望』と呼んでいます。
日本人は、「自分は幸せだ」という事はほとんどないが、他者に対して「ありがたい」と表現する事が多い。
これは、日本にとって『感謝の姿勢』は、他者に助けてもらった事を思い出させ、地域との繋がりを強く認識する機会になる。
また、相互に感謝の姿勢を見せる事が、自分自身が必要であるという認識をし、自己を肯定的に捉える機会となっている。
だからこそ、日本では晩年こそ人との関係を重視する事を『生きがい』として捉える傾向が強いと考えられています。
歳を重ねるとできなくなる事が増え、喪失感を覚えやすい時期です。
そういった時にこそ、『感謝の姿勢』から人と人とのつながりを意識し、地域との接点を持ち続ける事が、健康と長寿の秘訣になっていると考えられています。
子供に教える時には
まず、「ありがとう」と感謝の言葉を表現できる習慣を身につけてみましょう!
習慣を身につけるには、パパとママの行動が必要です。
パパやママ自身が一緒に感謝の気持ちを伝える様にしましょう!
そうすれば、自分も相手も幸福度が上がり、子供にも習慣が身につきます。
少しずつ、子供さんが言葉の理解が進んでくれば、
「おやつ貰って、嬉しかったよ。ありがとう」
と言った様に、何に対して感謝をしているのかという事を表現する様に促してみてください。
そうする事で、自分の感情に気づく練習にもなるし、感謝の言葉を伝える理由の理解にもつながります。
ですが、これだけだと感謝の気持ちを伝える行動のみが強化される可能性が高いです。
現に「ありがとうと言いなさい」と伝える事が多く、「ありがとう」を言われた後には、決まって伝える言葉は無いですよね。
それでは、感謝の言葉を貰った人の感情を知る機会はありません。相手の感情が理解できなければ、その行動を繰り返そうとするモチベーションが上がらないので、いつかはやめてしまう可能性が高いです。
という事で、次のステップは、
感謝の言葉を伝えられた後の感情を解説してあげる事です。
ここでは、パパとママの役割分担が必要かも知れません。
多いシュチュエーションは、ママが子供に感謝の言葉を伝えた後に、パパがその感情を解説するという事でしょうか?(もちろん逆もあり得ますよね)
ここでのポイントは、
● 「ありがとう」と言われて、子供がどの様な感情を抱いたのかを表現して貰う事。
● 「ありがとう」と伝えた人が、どんな感情を抱いたのか伝える事。
● 両者とも幸せな感情を感じる事、嫌な気持ちにはならない事を伝え、「ありがとう」という事で、相手も自分の感じた嬉しさを経験する事を理解して貰う。
ちょっと時間が必要かもしれませんし、「ありがとう」を言われた後の子供は、『嬉し恥ずかし状態』ですので、あんまり入らないかもしれませんが・・・
この自分の行動によって、自分も相手も感情が変化する事を学び、相手がどんな感情を抱くのか?という気づきの経験をする事が大切です。
それにより、子供自身の『共感力』が鍛えられるからです。
この共感力というのが、結構重要な能力だったりします。
過去に『「共感力」が心の知能指数「EQ]を高める。心の知能指数「EQ」を育てるテクニック 』でまとめています。
まとめ:感謝の言葉は、お互いを幸福に導く
感謝の言葉だけでなく、姿勢を示す事でお互いに強い幸福感を感じる事が分かっています。
この幸福感の積み重ねが、人とのつながりを意識し、自己を肯定する機会を作り、メンタルを安定させる大きな要素になります。
ただ、漠然と『あいさつ』や『感謝の言葉』を教えてしまいがちですが、そこから、人との関わりや、つながりを感じて貰える様な声かけができれば、子供の感情は、より豊かになるなるのでは無いかと思う次第です。
もし、同じ様な悩みを抱える方に、この中のたった一つでもいいので、小さな習慣を変える事につながれば幸いです。
自分自身が育児と仕事の両立ができなくなりそうで、試して良かったことをまとめて作ったブログです。
この記事を読んでくれたパパが、
『子育てを仕事の様に楽しもう!』と、育児と仕事を楽しんでできる。
そんな心の余裕を作りたいと思っています。
最後まで読んでい頂いてありがとうございました。