友人との距離が子供の人生を左右する
『人間関係が人生を左右する』といっても過言でないくらい、幸福度、寿命、健康、収入など様々な影響を与えます。
子供さんにとって大きな人間関係とは、『友達(友人)』の存在です。
この友人と過ごす時間や過ごし方の影響を強く受けることで、学業成績が向上したり、成長を促してくれる事が分かっています。
パパやママとしては、良い友人関係に恵まれる環境に子供たちが身をおける、そんな支援が重要視されているのも事実です。
そして、この友人という存在の有り難みを持って、社会に出れば、仕事での成績も上がりやすく、離職率も下がるといった、良い効果を認めています。
友人に限りませんが、周囲から支援を得られるということを『ソーシャルサポート』といい、現代社会においては、子供から高齢者まで、重要なフレーズになっています。
ですが、この友人という、ソーシャルサポートも近すぎると悪影響を及ぼす可能性が高いと言われています。
何となく、学生時代を思い起こしてみれば気づくかもしれませんが、
席替えで仲良しの友人と隣になれば、授業中も話をしてしまうなど、集中力が無くなり、テスト結果が悪くなった。
という様な事が科学的にも証明されています。
今回は、こんな友人との距離感が、子供にどの様な影響を与えるのか、
どうすれば対処できるのかについて、まとめていきます。
目次
友人の近くで働くとどうなるのか?
元となる研究は、大人になってからの職場での友人の影響について調べたものです。
以前、ビックファイブの記事で書いた性格特性5つの内の『協調性』が高い人が職場で友人と働く距離が近くなれば、生産性が下がるのではないか?
についてノースイースタン大学がベトナムの工場で働く方を対象に、性格テストなどを用いて研究を行いました。(1)
結果は、『友人の近くで働くと生産性が下がる』という傾向が、はっきり現れました。
具体的には、
● 友人の近くで働くと生産性は、6.7%下がる。
● 隣のテーブルで働くくらいなら、生産性は下がらない。
● 友人が対面にいても生産性は下がらない。
● 友人の隣で働く人は、賃金が平均4%低い。
● たいていの人は、「賃金が6%までなら下がっていいから、友人の近くで働きたい』と答えた。
という結果で、上記で書いた様に、友人が近くにいると話したくなったり、目の前の作業から注意を逸らす機会が増えるので、生産性も収入も下がる様です。
学校生活ではどうか?
工場勤務の環境調査ですので、学業に置き換えるのは、距離的な難しさはありますが、
理科の実験室を想像してみてください。
理科室の実験机の向かい合わせに座れば、授業への集中度と理解度は変わらないが、
横の席に座れば低下する。
といった感じでしょうか?
通常授業の席であれば、自身の机の前後左右に友人がいれば、近すぎて注意力が低下しそうですね。
1列以上離れた位置であれば、影響は少ないかもしれません。
クラスに一緒に遊べる友人がいるというのは、ソーシャルサポートの点からもクラスに馴染みやすく、学校にも前向きに通える強い味方になりますが、
近くの席にいる時間が長くなりすぎると、本来の学業への影響が出てくる可能性が高いですね。
そういう意味では、定期的な席替えは理にかなっていたのかなと思います。
隣に座るメリットもある
とはいえ、隣に座ることによるメリットも存在します。
仕事において、仕事もテキパキと効率的で残業が少なく、課題解決能力や想像力の高い優秀な上司がいたとしましょう!(かつ優しいなんて、そこまで完璧人間がいるかは不明ですが・・・)
この優秀な上司の横のデスクで作業を行うと、生産性が向上し、業績や収入がアップする事が分かっています。
学業でも同じです。
隣の机に座る友人が東大を目指す様な同級生であれば、その良い影響を受けて、自身の成績も上がる可能性が高いです。
私も学生時代に化学でとんでもなく悪い点を取った後、たまたま理数系に行けそうな友人が隣に座っていたので、授業中に机をくっつけ、解説してもらいながら受けた事があります。
すると、期末テストでは、驚くほどの高得点だった事があり、その友人には非常に感謝したものです。
この様に隣に座る友人から良い影響を与えてもらう事は可能です。
(私の場合は、普段勉強してなかっただけだと思いますけどね・・・)
そういう意味では、座る場所を自分で選べる、移動教室の授業などは、子供に取ってはチャンスです。
その科目が得意な友人の側を選んで座る事で、自身の学業成績をあげる事ができます!
家に帰ってきてまで勉強したくないと思う子供さんほど、学校の授業中の過ごし方が重要になりますので、ぜひ、ここから教えてあげてみてはいかがですか?
この行動により、少しでも成果が出れば、「1点」でも点数が上がれば、その行動を褒めてあげましょう!
人とは単純です。自分の行動に成果を感じれば、次のものへとハードルと欲求は高まっていきます。次第に、家で勉強する様な行動に移っていくでしょう!
この様な行動習慣が、社会に出たときの大きな財産となるはずです。
友人の近くにいるメリットを出す性格特性は?
友人の近くで成果を出そう!
そう思える性格ではない!
学校とは遊ぶ場所だと言われれば、困ってしまいますね。
この様に、メリットを引き出せるかどうかは、ある『性格特性』によって決まります。
上記の工場の研究でもこの『性格特性』を身につけているスタッフは、友人が隣で働いていても、生産性の低下がほとんどない事がわかりました。
その特性とは、『誠実性』です。
もう『誠実性』は最強の性格特性では無いか、というくらい、多くの問題を解消してくれる結果が出ています。
『誠実性』とは、決まったことをやり遂げる能力、誘惑に流されない能力といった事に影響を与える特性です。
つまり、『自制心』とか『セルフコントロール』といった能力に優れており、『勤勉さ』や『真面目さ』の印象が高い人を示します。
上記研究結果においても、
● 誠実性が高い人は、隣に友人がいても生産性が落ちづらい。
⇨そもそも、隣に友人がいるかどうかを重要視していない
という結果です。
「今は授業中だから」と捉えれる『誠実性』を身につけておけば、隣の席に友人が座っても悪影響は少なく、成績の良い友人が座れば、良い影響を受ける。
といった、良い結果につながる可能性が高くなります。
『誠実性』は万能な性格特性です。
この能力を身につけているかどうかによって、人生が大きく左右される可能性が高いです。
有名な『マシュマロ・テスト』という、子供の自制心と将来の影響についてまとめられた研究がありますが、研究デザインが否定されたという話もありますが、理論全般は覆っていません。
どうずれば誠実性が高まるのか?
『誠実性』は、決めた事や決められた事をやり抜く力が求められます。
本当に簡単な事で良いと思います。
● 近所の人にすれ違ったら、挨拶をしよう。
● 開けた扉は閉める様にしよう。
● 部屋を出たら電気は消す。
● 脱いだ靴は、揃える。
など、小さなことから初めて見てください。
子供が大きくなってくれば、『学校から帰って、17時〜18時で宿題を終わらす』などの行動目標を自身で設定して、達成できる様に促すのが良いと思います。
パパとママが支援するならば、なるべく短い時間を設定してあげてください。
集中力は、人によって『集中に入れるタイミング』は違いますし、『長くは続きません』
1時間と決めるより、20分✖️4回でトライする事で、自分の集中に入るタイミングと持続時間を知ることを学んでもらうことの方が重要です。
まとめ:友人の近くにいても効果のある特性を身につけよう!
『誠実性』は収入をアップさせ、犯罪から身を守り、自ら良質な環境を探し、自身を幸福に導いてくれます。
その特性を持つ事で、友人が近くにいることのメリットを最大限に発揮する事ができる様になります!
ぜひ、子供さんが身につけれる様に、パパやママ自身が実践している姿を見えてみましょう!
もし、同じ様な悩みを抱える方に、この中のたった一つでもいいので、小さな習慣を変える事につながれば幸いです。
自分自身が育児と仕事の両立ができなくなりそうで、試して良かったことをまとめて作ったブログです。
この記事を読んでくれたパパが、
『子育てを仕事の様に楽しもう!』と、育児と仕事を楽しんでできる。
そんな心の余裕を作りたいと思っています。
最後まで読んでい頂いてありがとうございました。
前回紹介したビックファイブのサイトを載せておきます。
● ビックファイブを元に自分の特性がわかりやすくなっています。
アプリをインストールして質問に答えていくだけです。
apps.apple.com ● 簡易版ですが、自分の傾向がわかりやすいものになります。