パパの助けになる子育て教室

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自己実現できる子供を育てるには、承認欲求を満たすことが大切

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 以前、アドラー心理学を利用した子供との関わり方を投稿しました。

ohyamak.hatenablog.com

 子供の思考力、自立心を育てるのにとても有効だと思いますが、人間の本能的な欲求を満たせ無い可能性もあります。子供に限らず、大人でも同じですが、やる気を出して何かにチャレンジする為には、自分が認められていると感じる「承認欲求」を満たす必要があります。

 今日は、その承認欲求の考え方である「マズローの欲求5段階説」をお伝えします。

 

 

マズローの欲求5段階説とは

 心理学者のアブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」と仮定し、人間の欲求を5段階に理論化したものです。人間には5段階の欲求があり、1つ下の欲求が達成されると次の階層に進めるという考えです。

 それぞれの階層について解説します。

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第1階層:生理的欲求

 人が生きていく上で必要な本能的な欲求です。「食欲」や「睡眠欲」など満たされ無いと生命の維持に関わる欲求の階層です。

 一番基本的な階層ですが、この位置の欲求にとどまっているというのは、あまり良い精神状態、環境ではないと言えます。

第2階層:安全欲求

 安心で安全な暮らしへの欲求です。第1階層の欲求を満たすとより、安全で安心できる環境(住まい)を求めます。安心できる住まいと健康な体があることで、人は次の階層へステップアップします。

第3階層:社会的欲求

 自身の安全が確保されると集団に属して、仲間を作りたい、家族や友人、会社から受け入れられたいという自分以外の人と繋がりを持ちたいという欲求階層になります。「愛情と所属の欲求」や「帰属の欲求」とも表現されます。これが満たされ無いと、人は孤独感社会的不安を感じやすくなり、時には鬱状態になります。

 

 この第3階層までを外的に満たされたい低次の欲求と言われます。低次というのは、例えば、お腹が満たされる満腹感、耐震性の高い家に住む、友達の数が多いなどある程度目に見える、身体的に感じることのできる欲求です。

第4階層:承認欲求

 他者から尊敬されたい、認められたいと思う欲求です。「出世欲」もその一つです。他にもより高い技術を身につけるなど、人と比べて優れた能力を得て認められたいと思うことです。

 

 この第4階層以降を内的に満たされたい高次の欲求と言われます。高次というのは、その人自身の心の中だけにとどめられて、他者からわから無いようの欲求です。 

第5階層:自己実現欲求

 人は他者から認められ承認欲求を満たすことで、自分の世界観や人生観を持ち、あるべき自分になりたいという欲求が生まれます。自分の潜在性を追求し、自己啓発や創造性の発揮など自己実現の欲求に突き動かされている状態のことです。

 

 この第5階層にたどり着くことは難しいと言われています。誰しも第4階層の人から承認されることを目的に動くからです。例えば、友達に凄いと言われたい、技術に優れていると言われたい、仕事ができると思われたいといった他者からの評価を気にした行動をとることが多いですよね。その先の階層です。他者からどう思われようともあるべき自分に向かって行動できる状態です。 

さらに上の階層:自己超越

 目的の遂行・達成のみを純粋に求めるとうい領域で、見返りを求めず、自我を忘れてただ目的に向かって没頭する状態です。マズロー曰く、この領域に達しているのは全人類の2%ほどだそうです。

 

アドラー心理学と承認欲求

 アドラー心理学を活かした子育てでは、人(親や友人)の承認なく、自己実現のために自ら思考できる子供を育てる思想教育です。ですが、マズローの欲求段階では、承認欲求が満たされることで自己実現の欲求に至ると言われています。少し、相反する考え方のように感じます。

 ここで大切なのは、ただ承認される(褒められるため)だけに行動するようになら無いことです。子供が何か達成できれば「凄いね」「偉いね」とただ褒める言葉を伝えると、子供はその言葉を次も聞くためだけに行動してしまいます。達成した過程、自分で考えて答えに行き着いたことをきちんと承認してあげることが大切です。自分で考えて答えを導き出したことを褒められたと思えば、子供はこれからも同じように自分で思考することを求めるからです。これを突き詰めれば「自己満足の肯定感」が生まれると言われています。

 アドラー心理学そういう意味では、物事の理解の仕方によっては、アドラー心理学も承認欲求を活用していると考えることができます。

 

まとめ

 とはいえ、子育てにおいて正しい方法は1つしか無いというわけでは無いと思います。アドラー心理学マズロー欲求5段階説は対極のようにも見えますが、最終目標は自己実現に向けた思考ができることと同じことを伝えているようにも思います。ようは、バランス良く子供に声をかけることが大切なのでは無いかと思います。私自身もどちらが良いか分かりませんが、どちらも良いところを掻い摘みながら、子供への声掛けに活かしています。子供が自分で考えたことを一緒に楽しみ、一緒に喜び、考えることの楽しさを学んでもらえるようにしています。